『うみねこのなく頃に』の感想(ファーストインプレッション)
はー。
密かに8月1日から毎日欠かさずブログを更新して行こうと思ってたんですが、あっさりとその目標は挫けてしまいました。残念。
先月後半の仕事の凶悪な忙しさに負けて、丸々二週間もサボってしまいましたですよ。
その間に東京に出張に行ってきたり、自社開催のMovable Type 4のセミナーをやったりとか、色々あったんですが、今のところあえてその辺はスルーしときます。
というわけで、今日はもうすでに、いつ読了したのかすらよく覚えていませんが『うみねこのなく頃に』の感想を軽く書こうと思います。
以前にも書きましたが、『うみねこのなく頃に』は『07th Expansion』という同人サークルが制作しているノベルゲーム(ゲームと言っていいのかどうか微妙ですけど)です。
「孤島の洋館で起こる連続殺人事件の真相を暴け!」という、所謂推理モノの読み物ですね。
ただ、普通の推理小説なんかとは違って、物語のラストで名探偵が真相を暴いてくれたりはしません。
ただひたすら館で悲惨な殺人事件が起こって、オシマイ。
「真相は読者であるあなたが暴いてください」というタイプの読み物です。なので、作品内には特にゲーム的要素はありませんが、推理ゲームであると言えますね。
既に「うみねこ 推理」なんてキーワードで検索すると、Web上では沢山の人がブログや掲示板で様々な推理を展開しています。
僕もそのうち、じっくり考える時間があったら(あるのかな......)ここで自分の推理なんかも書いてみたいですね。
さて、孤島の洋館が嵐で孤立して連続殺人事件が起きて......とお約束な推理要素満載の本作品なんですが、前作である『ひぐらしのなく頃に』という作品も、同様の形態を取った推理ゲームとして売り出されていました。
これも前にも書きましたが、『ひぐらし』はそのホラー要素とミステリ要素がネット上で凄まじい話題と反響を呼び、同人ソフトであるにも関わらず、その後、漫画化・アニメ化・小説化されるわ、PS2版のゲームが発売されるわ、実写映画化も決定するわ(多分今撮影中なのかな?もう撮影終わったかも)、その他にも商業の関連商品多数という、個人の趣味で制作された作品としては正にバケモノ級の人気と影響力とコンテンツ力を誇る作品です。
ただ、その反面、「ミステリ要素」はあったものの、最終的なネタバラシをしてしまうと、推理ゲームとしてはお世辞にも出来が良かったとは言えなかったんですね。
連作形式であるが故の後付設定の連発であったりとか、張られたままで回収されない多くの伏線や謎であったりとか。あるいは後半で明らかにされる、非現実的なぶっとんだ展開であったりとか。
エンターテイメントとして、非常に良い作品であったものの、所謂「本格推理」的な小説を好むような人たちからは、特にそのオチに批判が集まっていたようです。
そんな前作の経験を踏まえたのか、本作『うみねこ』ではそういう「本格推理」的なものに対して、凄く予防線を張っているというか、「今度はボロを出さないぞ!」という意気込みがとっても伝わってきました。
なんというか、数年間に渡る『ひぐらし』の連載中に「本格推理」派から受けた批判に対して、これでもかというぐらいの理論武装をしているというか。そんな印象を受けました。
だからと言って、今回は「本格推理」的な思考で謎が解けるのかどうか、というと、作者がしっかりとでっかい逃げ道を作っちゃっているので、「もしかしたら今回もまた後半でぶっとんだ展開が待ってるかも......」という疑念が拭えない。
というか『ひぐらし』で「やらかしちゃった」という事実を、うまく読者へのミスリードに利用している感じですよね。うまいなぁ。結局ミスリードじゃないかもしれないけど(疑心暗鬼)。
物語自体は、ちょっとおとなしめというか『ひぐらし』と比較すると地味な感じですね。淡々と殺人事件が起こっていく感じ(殺人事件が淡々とっていうのもアレですけど)。
『ひぐらし』の第一話である『鬼隠し編』をはじめて読んだ時に受けた凄まじい衝撃や恐怖と比較すると、ちょっと小奇麗にまとまり過ぎていて、勢いのようなものが感じられなくて物足りない、という印象は拭えません。
その反面、『ひぐらし』で前面に押し出されていた「萌えオタ的要素」が(ひぐらしと比較して)全然感じられないところは、万人受けして良いかもですね。
僕自身もあんまり「萌え」を強調されるのはちょっと厳しいものがあるのでありがたいです。
今回の『うみねこ』も、前作『ひぐらし』と同じく連作形式なんですが、何作くらい続くんでしょうね。
次回作がどういう展開になるのか、非常に楽しみです。
それと、志方あきこさんの歌う主題歌は、やっぱり超名曲でした。
最高。
- 関連するブログ記事
-