ナショナルジオグラフィック3月号はシナイ半島の話が興味深かった
ナショナルジオグラフィック3月号を、ようやく購入して読了したので、簡単に感想をメモ。(多分もう4月号出てるよね)
今回の特集記事とか、面白かった記事とかの感想をちょっとずつ書いていきます。
まずは、ウナギの回遊を研究されている海洋生物学者の塚本勝巳さんの記事。
恥ずかしながら、そもそもウナギが海で生まれて河を登ってくる、という根本的なことを知らなかったので、そこから感心して読んでました。
なんでも、グアム近くの西マリアナ海域で生まれたレプトと呼ばれる仔魚が、2000キロも旅して日本にやってくるんだとか。
そのニホンウナギの産卵場所をつきとめたのが、塚本さんらしいです。
ぜひ、何故わざわざ2000キロも離れた場所で産卵するのか(あるいは逆に生まれた場所から2000キロも離れて旅をするのか)とか、その辺の進化の謎を解き明かして欲しいです。
続いて、中国の世界遺産・九寨溝の特集。
これは写真メインの記事でしたが、めっちゃくちゃ綺麗ですね。
なんか最近では、中国といえばどこもかしこも汚染されていてヤバそう、みたいなイメージしかないですが、さすがに広い国だけあって、こういう綺麗な場所もあるんだなぁ、という感じ。
次に、カナダのオイルサンドの記事。
またまた恥ずかしながら、オイルサンドという資源が存在すること自体知らなかったので、そこから興味深く読みました。
従来の石油と比較して、相当生産効率の悪い、環境に優しくない資源のようですが、今後の従来型石油の生産量の減少を見越して、オイルサンドの生産に力を入れ始めているんだとか。
なんかイメージとしては、出涸らしのお茶を必死ですすってるようなイメージがあるな。
その次に、ナショジオ英語版記者による、省エネ生活のレポ。
当然、これは省エネを啓蒙する意図で書かれた記事なんだろうと思うんですが、なんか読んでてアメリカ人の省エネへの認識のなさが逆に浮き彫りになったような印象が(笑)。
いちいち記者が、それほど大したことでもないようなことを、凄いことを達成したかのように書いているのが「おまえ今までどんだけ無駄遣いしててん(笑)」とツッコミを入れたくなる感じでした。
というわけで、記者の意図とは別のところで、興味深く読めました。
ナショジオの記事は、結構客観的でなく、記者の主観が入りまくった記事が多いので、記者の思想や意図に共感できるにしてもできないにしても、単に記事を事実として読むのとはさらに別の楽しみ方ができて良いです。
続いて、絶滅の危機に瀕している中南米のジャガーの記事。
動物ものの読み物は無条件で面白いので、当然興味深く読みました。
ジャガーを保護するには、ジャガーの生息地だけでなく、ジャガー達の中南米に渡る長距離の移動と繁殖(遠方の異性と出会うことによる種の多様性の確保?)を可能にする"回廊"と呼ばれる通り道の保護大切だ、とのこと。
ただ、記事の内容だけでは、ちょっと"回廊"の概念が漠然としていて、実体がよく掴めませんでした。僕の想像力が不足しているのかもしれん。
そして、シナイ半島の記事。今回はこれが一番興味深かったです。
いわゆる、ニュースでよく耳にする「ガザ地区」とかあの辺の話ですね。
あのあたりの戦乱のバックグラウンドは、漠然と知ってるような知らないような、という感じだったので、宗教の絡む背景や、エジプト人とイスラエル人とイスラム教徒のベドウィンと呼ばれる人々との複雑な関係を解説してもらえて、ちょっと理解が深まった気がします。
まあどんな背景があったとしても、テロは悪だけど。
大体、今月号はこんな感じでしょうか。
1月号・2月号と比べると、僕の個人的な琴線に直に触れる記事はなくて、全体的なちょっとパッとしない印象ではありました。
それでも、どの記事も面白く読めたんですけどね。
次の4月号では、古代エジプトの男装の女王の記事と、両生類を脅かしているカビの記事がかなり気になります。
また買ってこないとー。