大阪市立自然史博物館で特別展「来て!見て!感激!大化石展」を観てきました

2011年7月 4日 16:35 大阪市立自然史博物館で特別展「来て!見て!感激!大化石展」を観てきました
写真 11-07-02 13 02 07.jpeg

大阪市立自然史博物館で現在開催されている特別展「来て!見て!感激!大化石展」を観てきました。

「そもそも化石とは何か」というところから、生物やその痕跡がどのような過程を経て化石になるのか、という紹介に始まり、地球上の生命誕生から古生代・中生代・新生代と時代を追う形で、様々な生物の化石を見ることができます。

多種多様な化石が大量に陳列されていて、非常に見ごたえのある展示になっていましたよ。
※なお、この特別展は2011年8月28日まで開催しています。

 

SN3G1122.jpg

まず最初のコーナーでは、どういうものが化石と呼ばれるのか、といったことが様々な標本とともに解説されていました。

例えば左の写真だと、牛の角やマンモスの毛なんかが展示されてますが、こういうのも化石なんですよね。

 

他に興味深かったのは、化石のレプリカの作り方をわかりやすく解説していた展示とかですね。

SN3G1120.jpg SN3G1121.jpg
 

実物化石から型を取り、その型を元にしてレプリカを作る、という流れが、そのまま展示されていて参考になりました。


SN3G1124.jpg

続いて、いよいよ生命進化と絶滅の流れを大量の化石展示で紹介するコーナーへ。

カンブリア紀の、有名なバージェスや澄江から発掘された化石が沢山展示されていました。

あの有名なアノマロカリスの化石もありましたよ。

 

そんな中で特にインパクトがあったのが、大量の三葉虫化石。

写真 11-07-02 13 30 05.jpeg SN3G1123.jpg
 

大量にある上に、非常に形のわかりやすい物ばかりが展示されていて、見ていて飽きませんでしたねー。

写真 11-07-02 13 32 11.jpeg

こんなウミサソリの化石も、綺麗に形が見えて良いですなー。

三葉虫してもウミサソリにしても、パージェスや澄江動物群にしても、もう今は子孫の残っていない節足動物の化石って、なんか凄く好きです。

 

写真 11-07-02 13 34 49.jpeg

続いて、少し時代が下って、原始的な脊椎動物の中から魚類が現れたあたりの展示。

今では絶滅して見ることのできない板皮類という魚類の一グループの化石が色々展示されていました。

板皮類は、名前の通り、頭部が板のような硬い骨板でできているので、そこの部分の化石が残りやすいんでしょうね。
写真のように、下に鏡を敷いて、頭部を上からも下からも見えるように展示してくれていました。

隣で見ていた男性が「え、これ魚?亀じゃなくて?」ってつぶやいてたのが印象的でしたw
全身の復元予想図も添えて展示してあるとわかりやすかったかもしれませんねー。
バージェスや澄江の化石とかは、僕も名前をきいたことがないような生物の化石がたくさんあって、生きていたときの姿を想像するのが困難なものが結構ありました。

 

そして脊椎動物の上陸。

SN3G1125.jpg 写真 11-07-02 13 39 25.jpeg
 

四肢動物(陸上動物)に近い魚類といわれる肺魚の一種スカウメナキアや、同じく四肢動物の祖先に近い魚として有名なユーステノプテロン(エウステノプテロン)の化石。

しっかりとした鰭の形が「ここから脚に進化していったんだなー」としみじみ思わせてくれます。
ユーステノプテロンは、頭も両生類っぽい。


SN3G1126.jpg

こちらはほぼ陸上生活にシフトしきった感じの生物。ディスコサウリスカスという、爬虫類に近い両生類だそうです。

植物と一緒に化石になっているうえに、右上と左下にも同種のものっぽい頭骨がありますね。

 

さて、脊椎動物が上陸を果たした頃には、昆虫をはじめとする節足動物の皆さんはとっくの昔に上陸を果たしていたわけですが、そんな古生代の昆虫他、陸上節足動物の綺麗な化石も沢山展示されていました。

写真 11-07-02 13 41 34.jpeg SN3G1127.jpg
 

古生代石炭紀頃のゴキブリとクモ。

ゴキブリにしてもクモにしても、古生代の頃からさほど形態が変わってないっていうのはほんと凄いことですなあ。
しかも両者とも、いかにもな「生きた化石」という感じで辛うじて生き残ってるのではなくて、生存競争の第一線を今でも走ってる方ですもんね。どんだけ勝ち組だよ。


続いて、みんな大好き中生代。いわゆる恐竜の時代ですよー。

写真 11-07-02 13 49 28.jpeg 写真 11-07-02 13 52 26.jpeg
 

近畿地方で発掘された恐竜ということで、三重の鳥羽竜の大腿骨・上腕骨と、兵庫の丹波竜の血道弓・椎骨などなどが展示されていました。

トバリュウもタンバリュウも、どちらも竜脚類(ブラキオサウルスやアパトサウルスといったでかくて首の長い植物食恐竜のグループ)なので、やっぱり骨のひとつひとつがでかいですよね。

ちっちゃな男の子がトバリュウの大腿骨を見て「これが太もも!?すっげぇ!!」と感動していたのがほほえましかったです(・∀・*)
その子より大腿骨の方がでかかったもんねw


ジュラ紀・白亜紀の昆虫化石も沢山展示されていました。

写真 11-07-02 14 00 19.jpeg 写真 11-07-02 14 00 59.jpeg 写真 11-07-02 14 02 02.jpeg
 

左から、トンボ・ハチ・タガメの化石です。
どれも綺麗に形が残ってて凄いですね。

SN3G1128.jpg

そんな綺麗な状態の昆虫化石ばっかりが、こんなケースに一面びっしりと陳列されてるんですよ。
これ、なにげにかなり凄いと思いません!?

ここのケースだけで多分、一時間くらいかけて見てた気がします......。

 

さてさて、やっぱり化石といえばティラノサウルスなどの獣脚類恐竜の全身骨格なんかが一番人気ですよね。

というわけで、今回の大化石展の目玉! 獣脚類恐竜の全身骨格化石のご紹介です!!

写真 11-07-02 14 03 49.jpeg 写真 11-07-02 14 05 28.jpeg
 

可愛くてかっこいい始祖鳥たんと孔子鳥たんの全身化石です!!!

こら、「鳥じゃん」とか言ったそこのお前!出直して来い!鳥は獣脚類恐竜なんだよ!!!!!!!><

関係ないけどつい先日、「孔子鳥の羽毛の色を再現」なんていう記事が話題になっていましたね。


さて、(鳥類を含む)恐竜や昆虫などが地上を闊歩していた中生代、一方海といえば、アンモナイトです。

SN3G1130.jpg 写真 11-07-02 14 07 28.jpeg
 

いわゆる一般的な感じのアンモナイトから、異常巻きと言われる凄い形のアンモナイトまで、様々なアンモナイト化石が並んでいました。


他にも、綺麗に形のわかる中生代のエビの化石とか、海棲爬虫類モササウルスの化石など、中生代の海の生物の化石も沢山展示されていました。

写真 11-07-02 14 11 55.jpeg SN3G1131.jpg
 

そして白亜紀末期の大量絶滅を経て、新生代。

SN3G1132.jpg

大阪で見つかったキシワダワニとタカツキワニの化石。

他に、常設展示の方には同じく大阪産のマチカネワニの全身骨格も展示してありますね。

大阪に普通に比較的最近(地質学的な意味で)までワニが住んでいたというのは、なんかロマンがあっていいなーとか思ってしまいます。

 

あと、黄河象とヤベオオツノジカの全身骨格は、やっぱり凄い存在感を放ってましたね。

写真 11-07-02 14 20 29.jpeg 写真 11-07-02 14 22 35.jpeg
 

この二体は、今回の特別展会場に入ってすぐ目の前に、目につくように展示してあるので、やっぱり今回の目玉的存在なんでしょうね。


他にも、植物の化石や復元模型なんかも非常に沢山展示されていました。

SN3G1136.jpg SN3G1138.jpg SN3G1135.jpg
 

普段はどうしても自分の興味の方向的に、動物の化石をじっくり見ることはあっても、あまり植物の化石をじっくり見ることってなかったんですが、今回は植物化石もじっくり見ることができて、なんだか新鮮な気分でした。

今回の大化石展は、いわゆる「大恐竜展!!」みたいな派手さはないですが、だからこそそういう「大恐竜展」的な展示では脇役になってしまいがちなタイプの化石群それぞれに、しっかりスポットが当たっている感じがして良かったな、と思います。
やっぱり恐竜の全身骨格が展示されていると、そればっかりに注目がいっちゃうところがあるもんね。

それでもやっぱり恐竜分が足りない!と思うなら、始祖鳥や孔子鳥を眺めてにやにやしておくか、あるいは常設展示も観にいけば良いと思いますよ!

SN3G1003.jpg SN3G0999.jpg SN3G1004.jpg
 

常設展示にはこんなwktkゾーンが待っている!

まあ、今回は13時頃に大化石展を観始めて、そのまま閉館まで三周くらいじっくり堪能したので、僕自身は常設展は行けなかったんですけどね!


今回の大化石展は、予習か復習でこの本を読むと凄く面白いと思います。

生物誕生から今までの歴史を網羅的に学べてお勧めですよ!

 
関連するブログ記事
スポンサード リンク
カテゴリー
博物館巡り
タグ
両生類 | 化石 | 博物館 | 哺乳類 | 大阪市立自然史博物館 | 恐竜 | 昆虫 | 爬虫類 | 節足動物 | 絶滅動物 | 魚類 | 鳥類

コメント(7) | トラックバック(0)

 

2011年6月の読了本まとめ

2011年7月 1日 10:56 2011年6月の読了本まとめ
虐殺器官
虐殺器官
伊藤計劃著。
すぐそこにある未来を描いたSF作品。
まさにこの時代だからこそ書かれた作品だなぁ、と思った。
ストーリーがどうこうよりも、「すぐそこにある未来」に適切かつ魅力的に、説得力を持たせている細かい設定の数々が読んでいて凄いと思った。
個人的には「虐殺の文法」は非常に説得力があったし説明不足では全くないと思う。
生物好きとしては「言葉」や「利他的行動」がどのように人間の中で進化したかについての著者の考え(だろう)が非常に興味深かった。
その辺のことに興味が沸いた人がいたら、ベタだけど『利己的な遺伝子』を読むのがおすすめ。
6月6日読了。
猛毒動物の百科
猛毒動物の百科
今泉忠明著。
「猛毒動物」をテーマに色んな動物がフルカラーの写真とともに集められている。
写真中心のこの手の本は、文章はあっさり目なことが多いけど、本書は文章の方も細かい字でびっしりだった。
著者が見聞きした、有毒動物の毒にやられた体験談が豊富で生々しい。
取り上げられている動物の一番手が、いかにも毒なんか持ってなさそうなホッキョクグマなところに、よくわからんけど著者の本気を感じた。
なお2007年発行の第三版を読んだのでコモドオオトカゲが毒を持っていないと書かれているけど、その後2009年に有毒であることが明らかになった。
6月10日読了。
密室殺人ゲーム王手飛車取り
密室殺人ゲーム王手飛車取り
歌野晶午著。
「試したいトリックやネタがあるから殺す」。
ただそれだけでそこに悪意や憎悪はかけらもない。
そんな殺人推理ゲーム参加者達の物語。
そしてこの物語自体も「書きたいトリックやネタがあるから書いた」。
という感じで、そこに深遠なテーマや問題提起があるわけではない淡々とした進行。
その自己言及的な皮肉こそがテーマなのかな、とか深読みしたくなる作品。
タイトルの「王手飛車取り」の意味が最初よくわからなかったけど、頭狂人さんが渾身の殺人ネタで王手を取った!と思ったら被害者がアレで、意図せず飛車まで取れちゃった、みたいな意味かな。
6月11日読了。
世界の終わり、あるいは始まり
世界の終わり、あるいは始まり
歌野晶午著。
実験としては面白いかなあ、とは思う。
この構成を貶すのは簡単だけど、歌野さんのこの手の実験的なタイプの作品には、どうしても深読みしたくなる何かがある。
個人的には『女王様と私』が大好きなので、あの作品に至る実験作的な位置づけだなあと思った。
『女王様と私』自体も相当実験的だけど。
ただ、この手の表現手法は小説より、ゲームブックとかノベルゲームで実現すべきだよな。
文章による創作は別に小説だけじゃないですよ。
あと、自己保身大好きな主人公に共感を覚えすぎてやばかった。
6月14日読了。
栄光一途
栄光一途
雫井脩介著。
柔道界のドーピング疑惑というちょっとユニークな題材を扱ったミステリ。
雫井さんはこれがデビュー作なのか。
試合の描写の迫力とか凄いなぁ。
『火の粉』を読んだときに、女性の心理描写が巧い人だなあと思ったけど、デビュー作から主人公は女性だったんだな。
諸々の真相は意外だったけど、その真相に繋がる説得力がちょっと弱い気がした。
6月19日読了。
ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編 1
ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編 1
竜騎士07、鈴羅木かりん著。
なんだか無性にひぐらしを読み返したくなったけど、原作はあまりにも時間がかかるので久しぶりにコミック版で代用。
コミカライズは結構原作に忠実かつコンパクトにまとまってるので好き。
6月19日読了。
ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編 2
ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編 2
竜騎士07、鈴羅木かりん著。
やっぱ鬼隠し編はシンプルでいいなー。
一番綺麗にまとまってる話だと思う。
はじめて原作をラストまで読んだときの「唖然」としか言いようのない感覚が懐かしい。
梨花ちゃんの富竹への寄せ書き「次回は頑張りましょう」は深いよねw
6月19日読了。
HTML5 & API入門
HTML5 & API入門
白石俊平著。
大変勉強になりました。
6月19日読了。
関連するブログ記事
カテゴリー
読書
タグ
HTML5 & API入門 | ひぐらしのなく頃に | 世界の終わり、あるいは始まり | 今泉忠明 | 伊藤計劃 | 密室殺人ゲーム王手飛車取り | 栄光一途 | 歌野晶午 | 猛毒動物の百科 | 白石俊平 | 竜騎士07 | 虐殺器官 | 鈴羅木かりん | 雫井脩介 | 鬼隠し編

コメント(5) | トラックバック(0)

 

このブログについて

阿部辰也

Webコンサルタントやシステムエンジニア、執筆業などをやっている、グッドホープ代表・阿部辰也のブログです。
Web技術系のTipsから仕事の話、趣味の話まで色々と。
人生は所詮生まれてから死ぬまでの壮大な暇つぶし。
だったら有意義に暇をつぶして生きましょー。

阿部辰也へのお仕事のご依頼・問合せはこちらからどうぞ。

Twitter: @t_abe
読書メーター: ID:Tatsuya

このブログのサイトマップ
このブログのはてなブックマーク数

Feed/RSS購読

タグクラウド

最近のトラックバック

阿部辰也の著書

77のキーワードで知る インターネットで稼ぐ 図解 ブログ・メルマガ・Webサイト構築の基本

77のキーワードで知る インターネットで稼ぐ 図解 ブログ・メルマガ・Webサイト構築の基本

頑張って書いたのに、出版後すぐに出版社が倒産して印税も貰えずじまいで俺涙目(笑)。

Powered by Movable Type 5.02

スポンサード リンク

はてなブックマーク



あわせて読みたい

t-abeの今読んでる本

t-abeの最近読んだ本

t-abeの今やってるゲーム

t-abeの最近やったゲーム