2010年9月の読了本まとめ
2010年10月 1日 23:15
人類が消えた世界 |
アラン・ワイズマン著。 どうもパッとしなかった。 各章毎にテーマが散漫でまとまりがなかったように感じる。 著者が想像する「人類が消えた世界」を描いている本かと期待していたら、単に「人類が消えた世界」を想像するためのヒントを思いつくままに記していった本だった、という印象。 でもところどころ興味深い章もあった。 特に朝鮮半島の38度線付近は人が近づかないために絶滅危惧種の住処になってるという事実は色々と象徴的。 9月2日読了。 |
フェルマーの最終定理 |
サイモン・シン著。 文句なしに面白かった。読んで良かった。 数学の本ではあるものの、難しい数論自体は一般人にもわかるよう比喩で表現されて、フェルマーの最終定理に挑んだ数学者たちの試行錯誤にスポットが当てられている。 とにかく本書全体としての構成が巧みで、緻密な伏線が張られた小説のように、350年の歴史が見事にまとめられている。 理系とか文系とか関係なく一読の価値あり。 9月4日読了。 |
もやしもん 3 |
石川雅之著。 沖縄に行きたくなった。 9月4日読了。 |
もやしもん 4 |
石川雅之著。 あれ、これ何のマンガなんだっけ。 9月4日読了。 |
指輪物語 旅の仲間 下1 |
J.R.R.トールキン著。 物語が本格的に動き始めて一気に面白くなってきた。 『ホビットの冒険』に出てきた人物や武器などが色々出てくるのもニヤニヤできて楽しい。 九人の一行がみんな魅力的に描かれていて良いなぁ。 9月5日読了。 |
妖怪学新考 |
小松和彦著。 古代から中世・近代・現代に渡って、我々日本人の文化や思想を背景に、どのようにして「妖怪」が生まれてきたのか。 また、時代に合わせて、あるジャンルの「妖怪」は廃れ、別のジャンルの「妖怪」が主流になっていく等、非常に興味深い考察。 特に、昔の「妖怪」の成立を把握した上で、現代の怪談がどのように成立しているのかを考えるととても面白いと思った。 9月7日読了。 |
フラグメント |
ウォーレン・フェイ著。 『超進化生物の島』というB級臭漂うサブタイトルから予想できる通りな感じのパニック物。 恐ろしい生き物に追いかけられる描写とかはスリリングで良かった。 各所に生物好きならニヤリとできる要素も散りばめられていて良い。 ただ後半の超展開はやっぱり興ざめだな。 あと「知性があるから助けなくちゃ」という思想は「鯨は頭がいいから捕鯨反対」的なメンタリティが透けて見えてもにょる。 とはいえ全体的に見て、なかなかまとまった良作でした。 9月14日読了。 |
指輪物語 旅の仲間 下2 |
J.R.R.トールキン著。 まさに第一部・完。みたいな感じ。 ロリアンの描写が読んでて眠かったけど、それ以外の展開はスリリングだった。 サムは良い奴だなぁ。 9月18日読了。 |
指輪物語 二つの塔 上1 |
J.R.R.トールキン著。 いかにも冒険という感じで、ここまでで一番面白かった。 メリーとピピンの二人はほんといいキャラしてるなあ。 全体的にホビットへの愛が感じられた。 9月20日読了。 |
夜にはずっと深い夜を |
鳥居みゆき著。 テレビではあんまりやらない(?)鳥居みゆきさんの本気のコントまんまな感じの小説。 小説っていうかコントの台本みたいに感じた。 読んでて彼女が舞台で喋ってる姿が容易に想像つくというか。 同音異義語とか似たような音とかをうまく使う独特な言葉選びのセンスは、耳で言葉を聞くコントよりも、目で見られる文章にした方が向いてるのかもしれないとか思った。 9月20日読了。 |
阪急電車 |
有川浩著。 阪急今津線を舞台にしたあんまーーーーーーい群像劇。 ちょくちょく仕事で使う路線なので、目次の時点で凄まじく親近感が沸いた。 関西弁も自然だったし、さらっと読みやすくて良かったと思う。 『99人の最終電車』を思い出した。 9月20日読了。 |
指輪物語 二つの塔 上2 |
J.R.R.トールキン著。 殺伐とした戦争の描写の中で、ギムリとレゴラスの仲良しさんっぷりが癒しだな......w 後半のメリーとピピンの色んな意味での活躍も読んでて和んだ。 今まで報連相をおろそかにしまくっていたガンダルフが最後のほうになって急に饒舌になったのがなんか面白かった。 9月24日読了。 |
指輪物語 二つの塔 下 |
J.R.R.トールキン著。 上巻の面々と比較して、フロドとサムの鬱々とした旅路がなかなか読んでて辛い。 後半、フロドとサムが「自分たちの冒険が物語になったら」と語っているところでは不覚にもウルっときた。 ゴクリも一気に魅力的なキャラクターになったなという印象。 終盤の展開はなかなか熱かった。 9月28日読了。 |
七人の敵がいる |
加納朋子著。 加納さんの作品はほとんど読んでてみんな好きなんだけど、この作品はどうも好きになれなかった。 陽子の不器用さが見ていてイライラしてしまった。 「仕事かデキる」ように描写されてるけど、これだけコミュニケーション能力に欠陥があると、ビジネスマンとしてまともにやっていける姿がさっぱり想像できない。 岬さんと出会ったあたりから陽子の成長が描かれていて良かったとは思ったけど、似たような「性格に問題のある主人公の成長」を描いた『てるてるあした』と比較すると感動がなかった。 9月29日読了。 |
リング |
鈴木光司著。 数年ぶりに何度目かの再読。 何度も読んだ作品なので、数年あけて読んでも細部まで記憶していた。 はじめて読んだときの、ラストの展開に受けた衝撃は凄かったな......。 ビデオの内容に関する描写はやっぱり濃密で想像力を掻き立てられて良い。 『エッジ』を読んだ後だと、やっぱり高山竜司のキャラクター、あるいは彼の持つ世界観は、鈴木さんの根底にあるものなんだろうなあ、と思った。 あと、やっぱり『ループ』は明らかに後付け設定だよなぁ、とw 『ループ』も好きだけど。 9月30日読了。 |
2010年9月の読了本は15冊でした。
『指輪物語』を頑張って読んだ。『王の帰還』の下巻だけ何故か持ってないので早く買わないと。