2010年2月の読了本まとめ
2010年3月 1日 22:50
人が学ぶ昆虫の知恵 |
普後一著。 昆虫の生態と、それが人間の生活にどのように影響しているかについて、丁寧に解説している本。 なんだけど、何の説明もなしに化学系の専門用語がバンバン出てきたり、詳しい説明のない単位の数字が出てきてちょっと読みにくかった。 あと、見開きで左が文章、右が図表、という構成になっているんだけど、明らかに右の図表にするネタがなくて適当に入れました的なページが散見されてちょっと笑ってしまった。 2月3日読了。 |
シーズ・ザ・デイ |
鈴木光司著。 親から子、そのまた子へと受け継がれていく因縁、のようなものがテーマかな。 ストーリーの展開には意外性はなかったけど、多分そもそもそういうものを求める作品じゃないね。 張り巡らされた因縁が一点に収束していくのは読んでいて心地良かった。 あと、鈴木さんは海と子供と父親としての自分が大好きなんだろうなぁ、というのが凄く伝わってくる作品だった気がします。 2月7日読了。 |
仕事で使える!Twitter超入門 |
小川浩著。 前半の、Twitter入門編的な部分はこれから始める人にとっては有用なんじゃないでしょうか。 ただ、既に機能面の紹介においてもやや情報が古くなってしまってるあたりがTwitterにおける時間の流れの速さを皮肉にも証明している。 日本におけるビジネスでの活用事例の紹介は著者ご自身が関わっているものにちょっと偏りすぎてて微妙かも。 2月7日読了。 |
可笑しな家 |
黒崎敏著。 世界中の変な家をたくさん集めた写真集みたいな本。 全ページフルカラーで、さまざまな魅力的な家の写真が載っていて、想像力をかきたてられる。 外観だけでなく、家の内部の写真ももっと豊富だったらさらに良かったかなあ。 2月8日読了。 |
女王様と私 |
歌野晶午著。 メタ的な要素の入ったミステリは好物なので非常に楽しんで読めた。 超展開に思わず吹き出してしまったものの、そこで設定される新たなルールというギミックをうまく利用してオチのどんでん返しに持ってくる展開は見事。 妄想に現実逃避するという行為と、自分がこうやって読書を楽しむこととの間に果して差異はあるのか。 来未が非常に魅力的なキャラだったのも印象的。 2月8日読了。 |
影との戦い ゲド戦記I |
ル・グウィン著。 二十数年ぶりの再読。 前に読んだのは小学校1・2年生くらいの頃だったかな。 さすがにちょっと難しかったけど、やっぱり根っこの部分はしっかり覚えていたみたい。 印象深い作品。 年取った今読み返すと、魅力的な世界観の描写が本当に素晴らしいなあと思う。 随所に説教臭いことが散りばめられてるんだけど、それが嫌味じゃないのが良いなと思う。 2月13日読了。 |
こわれた腕環 ゲド戦記II |
ル・グウィン著。 二十数年ぶりの再読。 小学生時代に読んだ時は、正直ゲドがなかなか出てこないし話も地味だしで、あんまり楽しくなかったんだけど、今読むと非常に面白かった。 アルハ/テナーの内面の描写と、迷宮の闇の描写が素晴らしい。 ゲドが現れてからの急展開ももちろん楽しかった。 一巻に引き続き、この巻でも「名乗り」のシーンがとても感動的に描かれていて好きだな。 迷宮を出てからのテナーの葛藤も説得力があってよかった。 2月20日読了。 |
怪獣記 |
高野秀行著。 トルコのジャナワールというUMAを探しに行った取材旅行記。 軽快で読みやすい文章に惹かれて、一気にのめり込んで読めた。面白い。 ジャナワールの探索自体も非常に面白いんだけど、クルド人問題なども含め、トルコの文化というか空気というか、そういうものがわかりやすく伝わってきて、とても興味深かった。 著者が楽しみながら取材旅行をしていたのが凄く伝わってくる本でした。 終盤で出てきた謎の物体を目撃する夢を見るほど影響を受けてしまった(笑)。 2月22日読了。 |
容疑者Xの献身 |
東野圭吾著。 オーソドックスな倒叙物かと思いきや......という感じか。 主要登場人物四者それぞれの前に立ちはだかる「謎」の複雑な入れ子構造はさすが。 シリーズ物の作品で、こんな大掛かりなトリックを持ってくるというのは何となく意外だった。 読んでいる間中、良い具合に翻弄されて、ラストで口あんぐり、という具合に楽しんで読めた。 石神の「献身」が美しいものなのか醜いものなのか、という以前に「このトリックありきで作られた物語」というのが透けて見えたのが強いて言えば残念な気もする。 2月23日読了。 |
2010年2月の読了本は9冊でした。
意外に『ゲド戦記』を読むのに時間がかかった印象。これ、小学校低学年の時に読んだけど正直ほとんど理解できてなかったんじゃ......。