Movable Typeプラグイン入門:MT::Authorを活用した新規ユーザー作成の実例解説
作成日:2025.03.21
本記事では、Movable Typeプラグインの実装において、MT::Authorオブジェクトを活用したユーザーの新規作成処理の具体例を解説します。コードサンプルを通して、ユーザーの存在確認から新規作成、各種プロパティの設定手順やログ出力まで、実践的なポイントを詳述しています。
Novable Type のプラグインなどで、ユーザーの追加処理を行なう場合、 MT::Author
オブジェクトを利用します。
※参考: Movable Type オブジェクト・リファレンス - MT::Author
以下のような感じ。
my $app = shift;
my $username = 'new_user'; # 追加したいユーザー名
my $displayname = 'new_user'; # 追加したいユーザーの表示名
my $email = 'newuser@abe-tatsuya.com'; # 追加したいユーザーのメールアドレス
my $password = 'abcdefghijklmn'; # 追加したいユーザーのパスワード
# ユーザーの存在確認
my $author = MT::Author->load({ name => $username });
if(!$author){
# ユーザーが存在しない場合は新規作成
eval{
$author = MT::Author->new;
$author->name($username);
$author->nickname($displayname);
$author->email($email);
$author->auth_type('MT');
$author->created_by(1);
$author->set_password($password);
$author->can_sign_in_cms(1);
$author->save
or die $author->errstr;
# ユーザー作成をログに記録
$app->log({
message => $app->translate(
"User '[_1]' has been created.",
$author->name
),
level => MT::Log::INFO(),
class => 'system',
category => 'create_user'
});
};
if($@){
print "Content-Type: text/html\n\n";
print "Error creating new user: $@";
# ログにエラーメッセージを記録
$app->log({
message => "Error creating new user: $@",
level => MT::Log::ERROR(),
class => 'system',
category => 'create_user',
});
exit;
}
}
上記のコードは、指定したユーザーを「ユーザー名」で検索し、存在しないければ追加する、という処理のコードです。
MT::Author->load({ name => $username })
- ユーザー名で検索して、
Author
オブジェクトを返します。
name
の代わりにemail
やid
でも検索できます。 MT::Author->new
- 新規に
Author
オブジェクトを生成します。 name($username)
nickname($displayname)
email($email)
- ユーザーの「ユーザー名」「表示名」「メールアドレス」をセットします。
auth_type('MT')
- MT管理画面へのログイン認証方法をセットします。
MT
をセットしないと、MTデフォルトのログインができません。 created_by(1)
- このユーザーを作成したユーザーのIDをセットします。今回の例では、システム管理者(ID=1)によって作成されたことにします。
set_password($password)
- 暗号化されたパスワードをセットします。
can_sign_in_cms(1)
- MT管理画面へのログイン権限をセットします。この権限がないとMTにログインできません。
他の権限は、- is_superuser
- システム管理者
- can_edit_templates
- テンプレートの管理
- can_manage_plugins
- プラグインの管理
- can_view_log
- システムログの閲覧
- can_sign_in_data_api
- Data API でのサインイン
- can_create_site
- サイトの作成
- can_manage_users_groups
- ユーザーとグループの管理
- can_manage_content_data
- すべてのコンテンツデータの管理
- can_manage_content_types
- コンテンツタイプの管理
save
Author
オブジェクトを保存します。

奈良市を拠点に、25年以上の経験を持つフリーランスWebエンジニア、阿部辰也です。
これまで、ECサイトのバックエンド開発や業務効率化システム、公共施設の予約システムなど、多彩なプロジェクトを手がけ、企業様や制作会社様のパートナーとして信頼を築いてまいりました。
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